工芸

全金属ペンはなぜ高く、そしてなぜ長く使えるのか

価格高には構造的な理由があり、価格設定の都合ではありません。コストの構造と耐久性の根拠をすべて公開します。

コストの構造

型抜きなし

金型の償却なし

金属製ペンは金型成形ではなく、棒材からCNC加工で削り出します。金型費を省く代わりに、各型番で個別のプログラム・治具・工具経路が必要になります。これが少量多型番が成立する理由です。

材料費

304棒材の単価は樹脂より桁違い

304ステンレスや6063アルミ合金の素材費本身就樹脂類より遥かに高く、ステンレスは熱伝導が高く切削負荷が大きいため工数も長くなります。

検査負荷

検査設備260台を7型番で分担

検査設備が全体の43%を占め、その費用はほぼ固定費です。型番が少ないほど1本あたりの負担が大きくなります。これは全金属構造の宿命であり、単なる価格設定ではありません。

替芯は汎用品

長期保有コストが低い

替芯は汎用の規格品。どの文具店でも入手でき、どのペンにも交換できます。コストがかかるのは本体のみで、消耗はごくわずかです。本体は10年使う前提で設計されています。

耐久性の根拠

一体金属、継ぎ目応力なし

軸とキャップは同一材料から一体加工され、開閉はねじではなく磁気で行います。ねじの摩耗・噛み違いがなく、樹脂製ボディのひび割れも発生しません。

摩耗ではなく、艶を出す

304ステンレス表面の酸化層は非常に薄く、通常は数週間から数か月で現れ、使うほど手になじみます。筆記に影響せず、いつでも磨き戻せます。

廃棄ではなく修理

10年保証は軸の変形、先端構造の破損、マグネット失效、ねじの噛み違い、陽極酸化皮膜の異常を対象。破損時は廃棄ではなく修理します。